IPOにおける初値と公募価格とを比較した場合、ほとんどの場合において初値は公募価格を上回っています。
確率的に見ると9割を超える銘柄がIPOを行うと、公募価格を上回る傾向にある、と言えるでしょう。
何故、何倍にも高騰する現象が起きるのでしょうか、その理由を考えて見ましょう。まず第一に公募価格はIPOディスカウントによって、元々適正価格よりも低めに設定されています。
ではその価格はどうやって設定されるのか、というと、まずIPOを行いたい企業と、その企業に依頼され主幹事証券会社となった証券会社との間で話し合いがもたれます。
その際基準となってくるのが、企業としての過去の業績や将来性、さらに既に株式公開を済ませ、上場している類似の他企業の株価です。
特に半年以内にIPOをおこなった類似他企業のIPOの公募価格や、初値は、重要な要素となってきます。その結果、フェアバリューとも呼ばれる適正価格が決定されるのです。
この適正価格のまま上場を行っても特に問題はないのですが、仮に適正価格で公開した後、株価が上昇せずに停滞したり、最悪のケースとして下がってきたりしたら、企業に対する印象としては余り好ましいものではありません。
そこであらかじめ適正価格よりも低めに公募価格を設定した上でIPOの申し込みを受け付けるのです。つまり公募価格=適正価格×IPOディスカウント率(10%~30%)ということになります。
第二の理由として考えられるのが、株価というものが需要(株を買いたい人)と供給(株を売りたい人)のバランスによって左右されている、ということです。
分かりやすく言うと、株数の割に買いたい人が多いとその株は高くなり、逆に売りたい人は多いけれども買いたい人が少ない、といった株の値段はどんどん下がっていきます。
IPO株に限って考えるならば、上場日の当日まではいくらその株を買いたい、と思っても買えない状況にあるわけです。
また売規制などによって制限があるため、公開された株数に対して、市場に流通している株数は少ないという状態になっています。
さらに上場日の当日に企業のオーナーや、大株主が株を手放す、ということは考えにくいため、市場では、買い>売り、という状況が演出されやすくなっています。
もちろんこれは、人気のある銘柄のIPOの場合で、あまり人気のない銘柄の株だと、全く逆の状態になってしまって、初値が公募価格を下回ってしまう、という事態に陥るのです。

